SAP Concur(コンカー)とは?料金・機能・評判を徹底解説【2026年最新版】

経費精算の現場では、毎月同じことが繰り返されています。領収書を手で入力して、交通費を一件ずつ確認して、承認者を追いかけてメールを送る。そんな作業に月末になるたびに何時間も費やしていないでしょうか。

SAP Concur(コンカー)は、こうした経費精算にまつわる”手間”を根本から解消するために設計されたクラウドサービスです。国内導入企業は1,620グループ以上、世界では86,000社以上が採用しており、Fortune 500企業の75%以上が利用しているという実績があります。これだけ多くの企業がこのシステムを選んできた背景には、それだけ多くの現場で実際に業務が変わったという事実の積み重ねがあります。

ただ、実績があるからといって、自社に合うとは限りません。料金体系が独特で、毎月のコストが読みにくいという声もあります。この記事では、SAP Concurの料金・機能・評判を整理し、「自社に導入すべきかどうか」を判断できるよう、具体的な情報をまとめました。

この記事でわかること

  • SAP Concurの基本概要と国内外での導入実績
  • Standard版・Professional版の料金の違いと費用感の目安
  • ICカード連携・OCR・66種以上の外部連携など主要機能の詳細
  • 実際の利用者の評判・口コミ(良い点・気になる点)
  • SAP Concurが向いている企業・向いていない企業の判断基準
目次

SAP Concur(コンカー)とは?サービスの概要と特徴

SAP Concurは、ドイツのSAP社が提供するクラウド型の経費・出張管理サービスです。日本では「コンカー」という名称で知られており、経費精算ソフト市場において国内売上12年連続No.1(ITR MarketView:予算・経費・サブスクリプション管理市場2026調べ)を記録しています。単に経費を申請・承認するだけでなく、出張の手配から領収書の管理、会計システムへのデータ連携まで、経費に関わる一連の業務をひとつのプラットフォームで完結させることを目指したサービスです。

コンカーが掲げるコンセプトは「経費精算をなくそう」というものです。経費申請にかかる時間を従来比83%削減した事例も報告されており、営業担当者が外出先でスマートフォンから申請を完了し、経理担当者が確認・承認するまでの流れを大幅に短縮できる設計になっています。

日本語のサービスとして見ると、電子帳簿保存法への対応、国内主要会計ソフトとの連携、日本語サポートといった要素もしっかり備わっており、グローバルサービスでありながら「日本企業が使いやすい」設計が整っている点も評価ポイントのひとつです。

世界86,000社以上が導入するグローバルスタンダード

SAP Concurの大きな特徴のひとつは、圧倒的なグローバル実績です。世界150ヵ国で利用されており、全世界で5,800万人以上が利用しています。Fortune500に名を連ねる企業の75%以上が採用しているという事実は、大企業のIT調達においてConcurがデファクトスタンダードになっていることを示しています。

グローバル実績が大きいということは、セキュリティ基準・コンプライアンス対応・アップデートの安定性という点で、一定の信頼が担保されています。「このベンダーは3年後も存在しているか」という不安を持たずに導入できる点は、経営者にとって小さくないメリットです。特に経費データは機密性の高い情報を含むため、セキュリティの信頼性は導入判断において重要な要素になります。

日本国内での導入実績と信頼性

国内では1,620グループ以上の企業に導入されており、トヨタ、ファーストリテイリング、サイバーエージェント、DeNAといった企業が導入事例として挙げられています。これらは主に大企業ですが、中堅・中小企業向けの「Concur
Standard」も提供されており、従業員数十名規模の組織からでも始められる体制が整っています。

国内の利用者満足度は95%以上という数字も公表されており、導入後の継続利用率の高さが実績として裏付けられています。経費精算システムは一度導入すると長期間使い続けるケースが多いため、「使い始めてから後悔する」リスクが低い点は安心材料です。

清算経理担当者

世界的に有名なサービスって聞くと、なんだか自分たちには大げさじゃないかって思ってしまうんですよね…。うちは従業員40名程度の会社なので。

アドバイザー

その感覚はよくわかります。ただ、コンカーにはStandardという中小企業向けプランがあって、月額2〜3万円台から始められます。規模が小さいから使えないということはありませんよ。むしろ、小さいうちに仕組みを整えておくと、後で人が増えたときに楽になりますよ。

SAP Concurの料金プラン|Standard版とProfessional版の費用を解説

SAP Concurの料金体系は、他の経費精算ソフトと比べると少し独特な構造をしています。「月額○万円で何名まで使えます」というシンプルな体系ではなく、プランによって課金方式が異なります。導入前にしっかり理解しておかないと、毎月のコストが読みにくくなるため、ここで整理しておきます。

大きく分けると「Standard」と「Professional」の2プランが用意されています。企業の規模や経費精算の複雑さによって、どちらが適しているかが変わってきます。

Standard版とProfessional版の違い

Standard版は、中堅・中小企業向けに設計されたプランです。初期費用は0円で、月額は1ユーザーあたり580円〜、または月額29,000円〜が目安とされています。
機能はある程度パッケージ化されており、導入までのスピードが早く、初期設定の負担が比較的少ないのが特徴です。無償の研修も用意されているため、初めてクラウド経費精算を導入する企業でも取り組みやすい設計になっています。

Professional版は、中堅〜大企業向けの上位プランです。Standard版と最も大きく異なるのは課金方式で、「1経費レポートあたりの課金」という従量制を採用しています。

ユーザー数ではなく申請件数で費用が決まるため、月によって経費申請の量が大きく変動する企業にとっては費用の予測が立てにくい面もあります。一方で、経費精算のカスタマイズ自由度が高く、複雑な承認フローや部門別管理が必要な大規模組織にも対応できます。

SAP Concurの導入コストの現実的な目安

Standard版で試算すると、従業員50名の企業であれば月額は概ね3〜5万円程度が目安になります。楽楽精算やジョブカン経費精算と比べると、やや高めの水準になることが多いです。

ただし、コストを単純な月額だけで判断するのは早計です。経費精算にかかっていた人件費を時給換算すると、月額数万円の削減につながるケースは珍しくあり ません

たとえば、経理担当者が月末に20時間かけていた集計・確認作業が5時間に減れば、それだけで実質的なコスト回収が始まります。時給2,000円の経理担当者が月15時間削減できれば、月3万円分の工数が浮く計算です。

また、営業担当者の申請時間も見逃せません。10名の営業担当者がそれぞれ月に1時間かけていた申請作業が15分になれば、組織全体で月7.5時間の削減になります。こうした数字を積み重ねると、月額費用との比較でメリットが見えてきます。

経営者

うちの会社、経理は1人しかいなくて、月末になると毎回深夜まで残業してるんですよ。本当に申し訳ないなとは思ってるんですが…。

アドバイザー

それはまさにコンカーが効く状況ですね。申請側の自動化で経理の確認作業がグッと減ります。1人の経理担当者の残業時間が月10時間減るだけで、月額費用分はすぐ回収できる計算になることも多いですよ。

SAP Concurの主な機能|経費精算を自動化する5つのポイント

SAP Concurの機能は多岐にわたりますが、中小企業の経営者が特に注目すべき機能を絞って解説します。「機能が多すぎて何が重要かわからない」という状態を避けるために、実務に直結するポイントを中心に見ていきましょう。

ICカード・法人カードとの自動連携

最も日常的に効果を実感できるのが、交通系ICカードと法人カードの自動連携機能です。SuicaやPASMOの利用履歴をiPhoneで読み取ることで、交通費の手入力が不要になります。営業担当者が「今日使った交通費を後で申請しよう」と思ったまま忘れる、という問題も解消されます。

法人クレジットカードを利用している企業であれば、カードの利用明細が自動でシステムに取り込まれるため、経理担当者が照合作業に費やす時間を大幅に減らせます。PayPayやJapanTaxiなどとも連携しており、タクシー代の精算がアプリから直接できるようになります。キャッシュレス化を推進している企業に特にフィットする設計です。

OCRによる領収書の自動読み取り

紙の領収書をスマートフォンで撮影すると、AIが金額・日付・店名を自動で読み取ってシステムに入力してくれます。転記ミスがなくなるのはもちろん、領収書の保管・管理も電子化できるため、紙の領収書が引き出しやファイルに溜まっていく問題が解消されます。

電子帳簿保存法の要件を満たした形で電子保存ができるため、税務調査への備えという観点でも安心です。「紙の領収書をどこに保管するか」「7年間保存できているか」という問題から解放されることは、経理担当者にとって思った以上に大きな負担軽減になります。

66種以上の外部サービス連携

SAP Concurが他の経費精算ソフトと一線を画す機能のひとつが、66種以上の外部サービスとのAPI連携です。主要な会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生、勘定奉行など)はもちろん、出張手配サービスや交通費管理ツールとも連携できます。

連携できるサービスが多いということは、「既存のシステムをそのまま残しながらConcurを組み込める」可能性が高まるということでもあります。新しいシステムを導入するときに「今使っているツールとバラバラにならないか」という不安はよくありますが、連携の幅が広ければ広いほど、その心配は小さくなります。

電子帳簿保存法への対応

2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化されたことで、経費精算システムの選定において「電子帳簿保存法への対応」は外せない確認事項になりました。SAP Concurは法令に準拠した形でデータを保存・管理できる設計になっており、要件を満たすための追加開発や別システムの導入が不要です。

具体的には、タイムスタンプの付与・検索機能・改ざん防止といった電子帳簿保存法の要件を、システムの標準機能として提供しています。「法律が変わるたびにシステムを見直す手間」が最小限に抑えられる点は、長期的な運用コストの観点からも評価できます。

グローバル対応(多言語・多通貨)

国内の経費精算ソフトにはあまりない機能として、多言語・多通貨への標準対応があります。世界150ヵ国で利用されているサービスだけあって、海外拠点のスタッフも同じシステムで経費申請でき、異なる通貨のレート換算も自動で処理されます。

現時点では海外展開がなくても、将来的に海外拠点を設ける可能性があるなら、最初からグローバル対応済みのツールを選んでおくことは長期的な視点での投資になります。後から対応しようとすると、システムの乗り換えコストが発生するケースが多いためです。

清算経理担当者

うちはまだ紙の領収書をファイルに挟んで保管しているんですけど、正直もうどこにあるかわからなくなってきていて…これって将来的にまずいですよね?

アドバイザー

電子取引のデータは2024年から電子保存が義務になっています。紙の保存がすべてダメというわけではないんですが、電子データを紙に印 刷して保存するのは認められなくなっています。コンカーは法対応が標準で備わっているので、その心配をしなくて済むようになりますよ。

SAP Concurの評判・口コミ|利用者の本音をまとめました

実際に使っている人の声は、スペック表には載っていない現場のリアルを教えてくれます。複数のレビューサイトから収集した評判をまとめました。数字だけでなく、どの部分が評価されていてどこに不満があるかを把握しておくと、導入後のイメージを具体的に描きやすくなります。

導入してよかった声

利用者から特に多く挙がるのが「スマートフォンでの操作性の高さ」です。App Storeでの評価は4.2と高く、「外出先でも申請が完結する」「承認をスマホで済ませられるようになって、経理に呼ばれることがなくなった」といったコメントが目立ちます。

経営者・管理職からは「経費の使われ方が部署ごとに可視化できるようになった」という声も多く挙がっています。従来は月次の集計が終わってから全体感を把握していたものが、リアルタイムで経費の動向を確認できるようになったと評価されています。経費を「後から集計するもの」から「リアルタイムで管理するもの」に変えられるのが、SAP Concurの大きな強みです。

月末処理にかかる時間の短縮を実感する声も多く、「以前は丸2日かかっていた月次集計が半日で終わるようになった」という経理担当者のコメントも見受けられます。

気になる点・注意点

一方で、注意が必要な点もあります。レビューサイトでの総合評価は5点満点中3.0〜3.2程度で、特に「サポート体制」に関しては2.9と他の評価項目に比べてやや低めです。「初期設定が複雑で、自力で対応するのに時間がかかった」という声が散見されます。

サポートの評価が低い背景には、Standard版では原則として自社での初期設定が基本となる運用スタイルがあります。手厚いサポートを求める企業は、別途費用をかけてパートナー企業のサポートを使うか、楽楽精算のようにサポート体制を強みとする他のサービスを選ぶ方が向いているかもしれません。

また、Professional版の料金体系(1経費レポートあたりの従量課金)に対して、「月のコストが読みにくい」という意見も一定数あります。経費申請の件数が月によって大きく変動する企業では、年間の予算計画が立てにくい場合があることは念頭に置いておきましょう。

経営者

評価が3点台って、正直微妙じゃないですか?もっと高評価のツールもありそうで、ちょっと心配なんですが。

アドバイザー

確かに平均評価だけ見るとそう映りますよね。ただ、コンカーは機能の充実度が3.4で一番高くて、評価が低い部分はサポートと操作性なんです。つまり『機能は優秀だが、使いこなすまでの初期ハードルがある』という製品です。その点を踏まえて、自社で初期設定に対応できるかどうかを判断軸にするといいですよ。

SAP Concurが向いている企業・向いていない企業

SAP Concurはすべての企業に最適なツールではありません。機能が豊富な分、オーバースペックになるケースもあります。自社に合うかどうかを判断するための基準をまとめました。

SAP Concurが向いている企業の特徴

出張・外出が多く、交通費精算が業務負担になっている企業には特に向いています。ICカード連携と法人カード連携の組み合わせで、従来の手入力作業をほぼゼロにできる可能性があります。営業担当者が多く、月の経費申請件数が多い企業ほど、自動化の恩恵を大きく受けられます。

グローバルに事業展開していたり、将来的に海外拠点を増やす予定がある企業にとっても、SAP Concurは有力な選択肢です。多言語・多通貨対応が標準で備わっており、海外拠点のスタッフも同じシステムで経費申請ができます。

従業員数でいえば、30〜50名以上の規模から導入効果が高まりやすいです。現状の経費精算にどれくらいの工数がかかっているかを計算してから判断するのがおすすめです。

内部統制の強化を求められている企業にも向いています。経費規定に反する申請を自動でアラートする機能があり、承認フローをシステムで管理することで、不正経費の発生を未然に防ぐ仕組みが整っています。上場を目指している企業や、コンプライアンス強化が経営課題になっている企業には特に刺さる機能です。

別ツールを検討すべき企業の特徴

従業員が20名以下で、経費精算の件数も月に数十件程度という規模であれば、SAP Concurはオーバースペックになりやすいです。コストに見合う導入効果が出にくく、ジョブカン経費精算やマネーフォワードクラウド経費のようなシンプルなツールで十分な場合が多いです。

すでにfreeeやマネーフォワードで会計管理をしている企業で、経費精算だけシームレスに連携したいという場合も、同じプラットフォーム内の経費精算機能を使う方が運用がスムーズなケースがあります。

手厚い導入サポートを求める企業も注意が必要です。Standard版は原則として自社での初期設定が基本となり、来社での支援は別途費用が発生します。「担当者が手を取って教えてくれる環境」を求めるなら、楽楽精算のようにサポート体制が充実したサービスの方が合っているかもしれません。

清算経理担当者

うちはまだ従業員が18名なんですけど、それでも導入する意味ありますかね?コンカーの話を社長に持っていこうか迷っていて。

アドバイザー

18名であれば、まずジョブカン経費精算やマネーフォワード経費を試してみることをおすすめします。月額が数千円から使えるシンプルなツールで十分なケースが多いです。コンカーは規模が30名を超えてきたり、グローバル展開を考えるようになったタイミングで改めて検討するのがちょうどいいと思いますよ。

まとめ|SAP Concur導入前に確認すべき3つのポイント

SAP Concurは、経費精算の自動化・グローバル対応・内部統制強化という点で、国内トップクラスの実力を持つサービスです。世界86,000社以上の導入実績は伊達ではなく、出張が多い企業や一定規模以上の組織にとっては、導入後の業務変化を強く実感できるツールといえます。

一方で、月額コストは競合より高めになりやすく、初期設定の手間もゼロではありません。導入前に、以下の3点を確認しておきましょう。

  1. 経費精算に月何時間かかっているか数えてみる
    申請・確認・承認・集計を含めた合計時間を計算してみてください。経理担当者だけでなく、申請する側の営業担当者の時間も含めて積算することが大切です。月10時間以上かかっているなら、月額費用との比較で導入コストを回収できる可能性が高いです。
  1. 出張・外出の頻度と交通費精算の件数を把握する
    交通費精算が多いほど、ICカード連携の恩恵は大きくなります。逆に外出が少なく、経費の種類もシンプルな企業は、よりライトなツールの方が合いやすいです。月の経費申請件数が100件を超えているなら、Concurの自動化効果が出やすいラインです。
  1. 無料デモを申し込んで自社の要件を具体的に伝える
    SAP ConcurはWebサイトから無料デモを申し込めます。自社の規模・業種・現在の課題を伝えることで、StandardとProfessionalのどちらが向いているか、具体的な費用感も確認できます。まず話を聞いてみることが、判断の一番の近道です。 経費精算の手間を減らすことは、経理担当者の残業を減らすだけでなく、会社全体のキャッシュフロー管理の精度を高めることにもつながります。「月末が来るたびにバタバタする」という状況を変える第一歩として、SAP Concurの導入を検討してみてください。
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