電子契約サービスを比較しているとき、「クラウドサインと迷っているがGMOサインはどう違うのか」という疑問を持つ方は多いと思います。どちらも国内トップクラスの導入実績を持ち、パッと見では似たサービスに見えますが、料金体系・署名方式の幅・機能の作り込みにはっきりとした違いがあります。
結論から言うと、GMOサインは「送信単価の安さ」「立会人型と当事者型を一つで使い分けられる柔軟性」「月5件まで無料で試せ る間口の広さ」が最大の特徴です。クラウドサインの立会人型送信単価が200円/件(税別)のところ、GMOサインは100円/件(税別)と約半額。件数が増えるほどこの差は大きくなります。
この記事では、GMOサインの料金・機能・セキュリティ・連携サービス・実際のユーザー評判を一通り解説します。「クラウドサインと迷っている」「当事者型署名も将来的に使いたい」という方に特に参考になる内容をまとめました。
この記事でわかること
- GMOサインの料金プランと送信件数別のコストシミュレーション
- 立会人型・当事者型・ハイブリッド署名の違いと使い分け
- テンプレート・一括送信・承認ワークフローなど主要機能の詳細
- セキュリティ認証・電子帳簿保存法への対応状況
- 向いている会社・向いていない会社の具体的な条件
GMOサインとはどんなサービスか
GMOサインの概要を把握した上で料金や機能の詳細に入ります。導入実績と署名方式の幅広さがこのサービスの核心にあります。
350万社導入・上場企業の75%が使うサービス
GMOサインはGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子契約サービスです。2025年時点で導入企業数350万社以上・累計送信件数5,000万件達成という規模を誇り、特筆すべきは東証上場企業3,953社のうち75%(約2,984社)が導入しているという数字です。上場企業への普及率がこれほど高いのは、コンプライアンス・セキュリティ水準への信頼の表れと言えます。
ITreviewの電子契約部門では18期連続でLeader最高賞を受賞し、ユーザー評点は4.0(5点満点)、219件のレビューが集まっています。「印刷・捺印・郵送の手作業がなくなり、数週間かかっていた締結が数時間に短縮された」という声が多く見られます。
立会人型・当事者型・ハイブリッドの3つから選べる
GMOサインが他の電子契約サービスと一線を画す最大の特徴が、3種類の署名方式を1つのサービスで使い分けられる点です。
立会人型(契約印タイプ)は、取引先がメールアドレスだけで署名できる方式です。アカウント登録不要・費用ゼロで、日常的な取引契約には十分な法的有効性があります。送信単価は100円/件(税別)と業界最安値水準です。
当事者型(実印タイプ)は、契約当事者がグループ会社のGMOグローバルサインが発行した電子証明書を使って署名する方式です。本人性の証明力が最も高く、M&A・金融機関との契約・大型案件など重要度の高い契約に向いています。送信単価は300円/件(税別)です。
ハイブリッド署名はGMOサイン独自の機能で、自社側は当事者型(電子証明書)で署名しながら、取引先は立会人型(メール認証のみ)で署名できる方式です。自社の内部統制を高めつつ取引先への負担をゼロに保てる、現実的な両立策として評価されています。
GMOサイン 3つの署名タイプ
契約印タイプ
(立会人型)
100円/件(税別)
実印タイプ
(当事者型)
300円/件(税別)
ハイブリッド署名
自社=当事者型
相手=立会人型
経営者立会人型と当事者型、両方必要になることってあるんですか?毎回使い分けるのは面倒じゃないですか?



日常の取引は立会人型で十分で、重要な案件だけ当事者型を使うという使い分けが現実的です。GMOサインなら同じ管理画面の中で切り替えられるので、別々のサービスを契約する必要がないのが便利なところですね。
GMOサインの料金プランを解説する
GMOサインは無料のフリープランから大企業向けのエンタープライズプランまで複数のプランがあります。自社の規模と必要な機能に合わせてプランを選んでください。
フリープランから試せる料金体系
フリープランは月5件まで永久無料で利用できます。1ユーザーのみ・立会人型のみという制限はありますが、実際の取引先に送って操作感を確認するには十分な枠です。他の主要サービスと比べても月5件は業界最多の無料枠で、「まず試してみる」という会社に最も優しい設計です。
ライトプランは月額9,680円(年契約・税込)から。ユーザー数・送信件数ともに無制限で、立会人型100円/件・当事者型300円/件の従量課金が発生します。テンプレート・一括送信・承認ワークフロー・スマホアプリなど主要機能はすべて使えます。ただしWeb API連携はライトプランでは利用できません。
スタンダードプランは月額26,400円(年契約・税込)。ライトプランの全機能にWebAPI・スキャン文書管理・操作ログ管理が追加されます。既存システムとの自動連携を組みたい場合はこのプラン以上が必要です。
ビジネス・エンタープライズプランは要問い合わせで、大企業・グループ企業向けの高度な内部統制・複数アカウント管理機能が追加されます。
GMOサイン 料金プラン比較
フリー
0円
月5件まで
ライト
9,680円
年契約・税込
立会人型110円/件
スタンダード
26,400円
年契約・税込
※料金は税込表示。年契約の場合。最新料金は公 式サイトをご確認ください。
月あたりのコストを試算する
ライトプランの実際のコストは「月額9,680円 + 送信件数 × 110円(立会人型・税込)」で計算できます。
月20件の場合:9,680円 +(110円 × 20件)= 11,880円/月。月50件なら:9,680円 +(110円 × 50件)=
15,180円/月。クラウドサインの同条件(12,100円 + 242円 × 50件 =24,200円)と比べると、月50件で約9,000円の差が生じます。
送信件数が多い会社ほど、GMOサインの低単価が効いてきます。 月100件を超える場合、年間のコスト差は数十万円規模になります。一方で月5件以下なら無料プランで事足りるため、有料プランへの移行タイミングは月6件を超えてからが目安です。



うちはフリープランを使っていて月5件を超えそうなんですが、有料プランに変えるタイミングはいつがいいですか?



月6件以上が続くようになったらライトプランへの移行を検討してください。ライトプランは6件目以降は110円/件なので、フリープランの上限を超えた分をカバーできます。年間契約の方が月契約より安くなるので、使い続けるつもりであれば最初から年間契約がお得です。
GMOサインの主要機能を確認する
料金の次は、実際の業務に関わる機能面を確認します。基本機能はライトプランで揃っていますが、API連携や操作ログ管理はスタンダードプラン以上が必要になるため注意が必要です。
業務効率化を支える基本機能
テンプレート機能は、よく使う契約書をPDFで登録して送信時に呼び出せる機能です。差込ラベルを使えば送信先ごとに名前・住所・金額などを自動入力できるため、似たような書類を大量に処理する場面で大幅な時間短縮になります。
一括送信機能は最大1,500件まで一括送信できる機能です。雇用契約書の更新・フランチャイズ加盟店への一斉送付など、同じ書式を大量に処理する業務での効果は特に大きく、「2〜3週間かかっていた雇用契約の更新が1日で完了した」という事例も出ています。
承認ワークフロー機能は、書類の送信前に社内承認を必須にする設定ができる機能です。「ワークフロー固定機能」を使えばユーザーごとに承認者を固定でき、設定漏れによる承認フロー外での送信を防げます。
多言語対応は日本語・英語・中国語を含む8言語に対応しており、ブラウザの言語設定に応じて自動的に表示言語が切り替わります。海外の取引先に送っても相手方の言語で操作できるため、グローバルな取引がある会社には実用的な機能です。
スマートフォンアプリはiOS・Android両対応で提供されており、外出先からの署名・確認・送信が可能です。クラウドサインにはスマホアプリがなく、この点はGMOサインの明確な優位点の一つです。
上位プランで使える機能
スキャン文書管理(スタンダードプラン以上)は、紙で締結した既存の契約書をスキャンしてGMOサイン上で電子契約と一元管理できる機能です。「電子化前の契約書が紙のまま残っている」という状況を解消し、すべての契約書をクラウド上で管理できます。
Web API(スタンダードプラン以上)は、Salesforce・kintone・基幹システムとGMOサインを連携させる機能です。商談成立から契約書の自動生成・送信・締結ステータスの反映までを自動化できます。



海外の取引先に英語で契約書を送ることがあるんですが、GMOサインは対応できますか?



8言語対応なので英語での取引には対応できます。相手方のブラウザが英語設定なら自動的に英語UIで表示されます。ただし契約書の内容自体は自分で英語で作成する必要があります。文書作成のサポートはないので、書類の準備は別途行ってください。
セキュリティと法的有効性
電子契約の導入を検討する担当者が最も気にするのが法的有効性とセキュリティです。GMOサインの対応状況を確認します。
電子署名法・電帳法への対応
法的有効性の根拠は2020年の三省庁連名見解で、立会人型電子契約も電子署名法第3条の要件を満たすと明確に認められています。当事者型(実印タイプ)についてはさらに証拠力が高く、認定認証局であるGMOグローバルサインが発行した電子証明書による署名は、印鑑登録証明書に相当する信頼性を持ちます。
全プランで総務省認定の認定タイムスタンプを標準付与しており、延長タイムスタンプ機能により最低10年間の真正性を維持できます。また2024年8月にはJIIMAの「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しており、電子帳簿保存法の電子取引保存要件への対応が公式に認定されています。
セキュリティ認証はISO/IEC 27001・ISO/IEC 27017・SOC2 Type2を取得。2024年7月にはISMAP(政府クラウドセキュリティリスト)への登録も完了しており、官公庁・金融機関との取引にも対応できる水準を満たしています。



当事者型を使えば法的には完璧ということ?立会人型とどれくらい証拠力が違うの?



日常の取引契約なら立会人型で十分です。当事者型は本人性の証明力が最も高いので、億単位の契約やM&A関連など「万が一裁判になったときに備えたい」という場面で使います。普段の業務委託や発注書に当事者型を使う必要はほとんどありません。
他システムとの連携
GMOサインは主要なビジネスツールとの連携に対応しています。特にSalesforce連携は公式AppExchangeアプリとして提供されており、商談管理から契約締結までを一気通貫で処理できます。
kintoneとのAPI連携も対応しており、業務フロー上の承認プロセスに電子契約を組み込めます。ワークフローシステムのAgileWorks・X-point Cloudとも公式連携しており、既存の社内承認フローに電子契約を自然に組み込める設計です。
Web APIを使った連携はスタンダードプラン以上が必要です。ライトプランの場合はYoomやZapierなどのノーコードツールを経由した連携が現実的な選択肢になります。freee人事労務との連携もノーコードツール経由での実績があります。
2026年5月からは財務会計システムのFAST財務会計(ジャパンシステム)との連携も開始されており、連携先は今後さらに拡充される見込みです。
GMOサインが向いている会社・向いていない会社
リサーチと機能確認を踏まえて、GMOサインが実際にどんな会社に合うかを整理します。
こんな会社に向いています
送信件数が月20件以上で、コストを抑えたい会社に最も向いています。送信単価100円/件(税別)はクラウドサインの約半額で、件数が増えるほどこの差は積み重なります。月50件なら年間で約10万円以上の差が生まれることがあります。
立会人型と当事者型を使い分けたい会社にも向いています。日常の取引は立会人型で低コストに処理しながら、M&Aや大型案件だけ当事者型を使うという運用が一つのサービスで完結します。同じ使い分けをするためにサービスを複数契約する必要がなくなります。
まず無料で試したい小規模の会社にも向いています。月5件の無料枠は業界最多で、実際の取引先に送って操作感を確認した上で有料プランへの移行を判断できます。
海外取引先がある会社・外国人スタッフがいる会社にも8言語対応のGMOサインが合っています。
こんな会社には向いていません
月5件以下で当面件数が増える見込みがない会社は、無料プランで十分ではありますが、有料プランのコストメリットを享受しにくい面があります。
取引先の署名が止まった際の自動督促が必要な会社には注意が必要です。ユーザーレビューによると、取引先が署名を止めた場合の自動リマインダー機能がなく、手動でメールや電話での催促が必要になります。
API連携を前提にしているがシステム開発リソースが少ない会社は、スタンダードプランのAPI連携を活用するにはある程度の技術的なセットアップが必要なため、導入後のサポート体制を確認してから選ぶことをおすすめします。



クラウドサインかGMOサインで迷っています。うちは月30件くらいで当事者型は今は不要ですが将来使うかもしれません。



その条件なら費用面でGMOサインが有利です。月30件でライトプランなら約13,000円/月、クラウドサインのLightプランなら約19,400円/月と差が出ます。将来的に当事者型が必要になっても追加費用なく同じサービスで切り替えられるので、拡張性の面でもGMOサインを選ぶ理由になります。
まとめ — GMOサインは「コスパと柔軟性」を重視する会社に
GMOサインはコスト・署名方式の幅・セキュリティ水準のどれを取っても国内トップクラスのサービスです。特に送信件数が月20件を超える会社・立会人型と当事者型を将来的に使い分けたい会社には、クラウドサインより先に検討すべき選択肢です。
月5件まで永久無料のフリープランで実際の取引先に送って操作感を確認できるため、「比較のために試す」コストも不要です。まず無料プランから始めて、件数が増えてきたタイミングでライトプランへ移行するのが最もリスクの少ない進め方です。
GMOサインが向いている会社・向いていな い会社
向いている会社
向いていない会社
今日から始める3つのアクション
- 月あたりの送信件数と契約の種類を確認する
日常的な取引契約が中心か、重要な大型案件も含まれるかを把握することで、立会人型のみで十分かどうかが判断できます。
- フリープランに登録して取引先に1件送ってみる
月5件まで無料で実際の取引先に送付できます。相手方がアカウントなしで迷わず署名できるかを確認するのが最初のステップです。
- クラウドサインとコスト比較をしてみる
自社の月平均送信件数に両サービスの単価を掛けて、年間コストの差を計算してください。件数が増えるほどGMOサインの優位性が明確になります。




