「電子契約を導入するならクラウドサインで間違いない」という声をよく聞きます。国内シェアNo.1・導入250万社という実績は確かに圧倒的で、知名度という点では他の追随を許しません。ただ、「有名だから安心」という理由だけで選ぶと、料金体系や機能面で「思っていたのと違う」という場面が出てくることもあります。
この記事では、クラウドサインの料金プラン・主要機能・セキュリティ・連携サービス・実際のユーザー評判を一通り解説します。「自社の規模と契約件数でどのプランが合うか」「競合サービスと比べてどこが強くてどこが弱いか」という視点を中心に、導入を検討している中小企業の担当者が判断できる情報をまとめました。
この記事でわかること
- クラウドサインの料金プランと月あたりのコスト感
- テンプレート・承認ワークフロー・契約書管理など主要機能の詳細
- セキュリティ認証・電子帳簿保存法への対応状況
- 他システムとの連携サービス一覧
- 向いている会社・向いていない会社の具体的な条件
クラウドサインとはどんなサービスか
クラウドサインの概要を把握した上で、料金や機能の詳細に入っていきます。数字の背景を理解しておくと、プラン選びの判断がしやすくなります。
国内シェアNo.1を支える実績
クラウドサインは弁護士ドットコム株式会社が提供する電子契約サービスです。2015年のサービス開始以来、国内の電子契約市場をリードし続けており、富士キメラ総研の調査による2024年度の市場シェアは23.6%で業界1位。導入社数は250万社以上、累計送信件数は3,000万件超と、国内で最も使われている電子契約サービスの地位を確立しています。
ITreviewの電子契約部門では6年連続で総合1位を受賞しており、ユーザー評点は4.2(5点満点)、340件以上のレビューが集まっています。「業界内でクラウドサインを知らない会社はほとんどいない」という状況が、大企業との取引が多い会社には特に重要な強みです。
取引先がアカウントなしで署名できる
クラウドサインの署名方式は立会人型(事業者署名型)のみです。取引先(受信者側)はアカウント登録も費用負担も不要で、メールに届いたリンクをクリックして内容を確認し、「同意して終了」ボタンを押すだけで締結が完了します。
この操作の手軽さが、相手先への導入ハードルをほぼゼロにしています。「電子契約に切り替えたいが、取引先がついてきてくれるか不安」という担当者の心配を解消できる設計です。PCだけでなくスマートフォン・タブレットからも操作できます。
クラウドサインで契約が完結するまでの 流れ
アップロード
(PDF)
相手方に
メール送信
リンクをクリック
(登録不要・無料)
「同意して終了」
ボタンをクリック
タイムスタンプ付与
クラウドに自動保管
取引先はアカウント登録不要・費用ゼロ。スマー トフォンからも操作可能。
清算経理担当者取引先にもクラウドサインの契約が必要になりますか?費用が発生するんでしょうか。



受信者側は完全無料でアカウント登録も不要です。メールリンクをクリックして確認・同意するだけなので、相手がITに詳しくなくても問題ありません。費用が発生するのは送信する自社側だけです。
クラウドサインの料金プランを解説する
クラウドサインには無料のFreeプランから大企業向けのEnterpriseプランまで複数のプランがあります。プランごとに使える機能が異なるため、自社の規模・契約件数・必要な機能を整理してから選ぶことが重要です。
4つの有料プランと機能の違い
Freeプランは月2件まで無料で使えます。1ユーザーのみの制限があるため、あくまで「試す」用途での利用が前提です。
Lightプランは月額12,100円(税込)+送信1件あたり242円(税込)。ユーザー数は無制限で、基本的な契約送信・管理機能がすべて使えます。ただし、WEBAPI連携・電話サポートはこのプランでは利用できません。
Corporateプランは月額30,800円(税込) +242円/件。LightプランにAPI連携・紙文書インポート・監査ログ・電話サポートが追加されます。自社のシステムとAPI連携させたい会社や、内部統制を強化したい会社にはこのプランが必要です。
Business・Enterpriseプランは要問い合わせでの個別見積もりです。承認権限の詳細設定・IPアドレス制限・複数部署管理・英語対応など、大企業向けの高度な機能が追加されます。
クラウドサイン 料金プラン比較
Free
0円
月2件まで
Light
12,100円
+242円/件
Corporate
30,800円
+242円/件
Business/
Enterprise
要問い合わせ
ボリューム割引あり
※料金は税込表示。2026年4月より料金改定中のた め、最新料金は公式サイトをご確認ください。
月あたりのコストを試算する
実際のコストは「月額基本料 + 送信件数 × 242円」で計算できます。
Lightプランで月20件送信する場合:12,100円 +(242円 × 20件)= 16,940円/月。月50件なら:12,100円 +(242円 × 50件)=24,200円/月。件数が増えるほど従量課金の比重が上がります。
月100件を超えるような大量送信の場合、送信単価が110円からのGMOサインと比較してコスト差が大きくなります。
送信件数が多い会社は、プラン選定の前に他サービスとの料金比較も行うことをおすすめします。
なお、2026年4月より料金改定が順次適用されています。最新の料金は公式サイトでご確認ください。



うちは月30件くらい契約書を処理してるんだが、Lightプランで足りる?



30件ならLightプランで十分です。月のコストは12,100円 +(242円 × 30件)で約19,360円。ただしAPI連携が必要な場合はCorporateプランになります。まず必要な機能を確認してからプランを選ぶのが確実ですね。
クラウドサインの主要機能を確認する
料金の次は、実際の業務でどんな機能が使えるかを確認します。基本機能は全プランで使えますが、内部統制に関わる機能は上位プランのみという制限があるので把握しておいてください。
日常業務を効率化する基本機能
テンプレート機能は、業務委託契約・NDA・発注書など繰り返し使う書類をPDFで登録しておき、送信時に呼び出せる機能です。毎回ゼロから書類を作らなくて済むため、締結業務にかかる時間を大幅に短縮できます。
一括送信機能は、CSVデータをテンプレートに流し込んで複数の書類を一度に作成・送信できる機能です。フランチャイズ契約・取引先への一斉通知・複数拠点への書類送付など、同じ書式を大量に処理する場面で効果を発揮します。
ステータス管理機能は、送信した書類の開封・確認・署名の進捗をリアルタイムで把握できる機能です。「誰がボールを持っているか」が一目で分かるため、締結が止まっている相手への催促も画面上からワンクリックで行えます。
契約書管理・検索機能は、締結済みの契約書を取引先名・契約期間・金額などで即座に検索できる機能です。紙の契約書をファイルで保管していた会社が電子化に移行すると、この機能だけで書類探しの手間が大幅に減ります。Corporateプラン以上では、過去に紙で締結した契約書をPDF化してインポートし、電子と紙の契約書を一元管理することも可能です。
内部統制を強化する上位プランの機能
承認ワークフロー機能(Corporateプラン以上)は、担当者が契約書を送信する前に上長の承認を必須にする設定ができる機能です。「誰でも自由に契約書を送れてしまう」という内部統制上のリスクを防ぎ、送信前のチェック体制を構築できます。
WEBAPI連携(Corporateプラン以上)は、Salesforce・kintone・自社システムとクラウドサインを連携させるための機能です。SFA上で商談が成立したら自動で契約書を生成・送信し、締結完了のステータスをSFA側に反映させるといった自動化が可能になります。
上位プランのBusinessとEnterpriseでは、さらにIPアドレス制限(社外からのアクセスを遮断)・登録制限(自社ドメイン外のアカウント登録を禁止)といった、大企業向けのセキュリティ設定が追加されます。



うちは担当者が勝手に契約書を送らないようにしたいんですが、そういう設定はできますか?



Corporateプラン以上の承認ワークフロー機能で対応できます。担当者が送信ボタンを押しても、承認者(上長など)が許可しないと相手方に届かない設定にできます。Lightプランでは使えないので、この機能が必要かどうかでプライン選びの基準にもなりますね。
セキュリティと法的有効性
電子契約を導入する際に多くの担当者が心配するのが、「法的に有効なのか」「データが漏洩しないか」という点です。クラウドサインの対応状況を確認します。
電子署名法・電帳法への対応
法的有効性の根拠は、2020年に総務省・法務省・経済産業省の三省庁が連名で発表した政府見解です。立会人型電子契約も電子署名法第3条の要件を満たすと明確に認められており、クラウドサインで締結した契約は日常の取引において十分な法的効力を持ちます。
全プランで「認定タイムスタンプ」を標準付与しており、10年間の長期署名に対応しています。タイムスタンプは「この書類がこの日時に確かに存在し、その後改ざんされていない」ことを第三者機関が証明するものです。万が一の紛争時に証拠として提出できる確実性を担保します。
電子帳簿保存法(電帳法)への対応も完全です。クラウドサインは「訂正削除ができないシステム」として電帳法の電子取引保存要件に対応しており、タイムスタンプ付与と検索機能(取引年月日・金額・取引先での検索)により、単体で電帳法の保存要件を満たします。
セキュリティ認証はISO/IEC 27001(情報セキュリティ管理)・ISO/IEC 27017(クラウドサービス情報セキュリティ)を取得。政府クラウドセキュリティリスト(ISMAP)にも登録されており、行政機関や大企業との取引にも対応できる水準です。



電子契約のデータって、サービスが終了したときに消えてしまわないですか?



万が一サービスが終了する場合でも、自社でPDFと合意締結証明書をダウンロードしておけばデータは手元に残ります。保管したデータには認定タイムスタンプが付いているので、ダウンロードした後も改ざんがないことが証明できます。定期的にバックアップを取っておくと安心ですよ。
他システムとの連携
クラウドサインは100以上の外部サービスとの連携に対応しています。すでに社内で使っているツールとの組み合わせで、電子契約の締結から管理までをより自動化できます。
主な連携先をカテゴリ別に見ると、SFA・CRM分野ではSalesforceとの連携が充実しており、商談成立から契約書の自動生成・送信・締結ステータスの反映まで一気通貫で対応できます。HubSpotとの連携も可能です。
グループウェア・ワークフロー系ではkintone・SmartDB・ServiceNowとの連携があります。ビジネスチャットはSlack・LINEWORKSと連携でき、契約書の署名完了をチャット通知で受け取ることができます。会計ソフトはfreeeとの連携に対応しています。
一点注意が必要なのは、WEB API連携を使えるのはCorporateプラン以上という点です。LightプランではCSV連携・手動のインポート・エクスポートは使えますが、システム間の自動連携はできません。既存システムとの連携を前提に導入を検討している場合は、Corporateプラン以上を選ぶ必要があります。
クラウドサインが向いている会社・向いていない会社
リサーチと機能確認を踏まえて、実際にどんな会社がクラウドサインを選ぶべきかを整理します。
こんな会社に向いています
国内取引メインで知名度・信頼感を重視する会社に最も向いています。シェアNo.1・250万社導入という実績は、社内の稟議を通す際の説得材料にもなります。「電子契約を初めて導入する」という会社にとって、実績のあるサービスを選ぶことは失敗リスクを下げる合理的な判断です。
IT部門が小さく、担当者が少ない中小企業にも適しています。UIがシンプルで、初めて使う担当者でも迷わず操作できます。毎日開催されている操作セミナーや、社内稟議資料のサポートなど、導入後のフォロー体制が充実している点も中小企業には安心です。
Salesforce・kintoneを使っていて契約業務の自動化を進めたい会社もクラウドサインが向いています。API連携の品質と豊富な連携サービス数は、業界内でも高い評価を得ています。
こんな会社には向いていません
当事者型電子署名が必要な契約が多い会社には向いていません。M&Aの基本合意書・金融機関との融資契約など、実印レベルの本人確認が必要な場面ではGMOサインを検討してください。
月の送信件数が多く、コストを最小化したい会社にも注意が必要です。1件あたり242円(税込)という単価は、GMOサインの110円/件と比べるとやや高くなります。月100件を超えるような会社では、年間で数十万円のコスト差が生まれることがあります。
海外取引先との契約が多い会社にはDocuSignの方が向いています。クラウドサインの英語対応はEnterpriseプランのみで、海外でのブランド認知もDocuSignが圧倒的です。



うちは国内取引のみで月20件くらい。当事者型も必要ないし、Salesforceも使っていないんですが、クラウドサインで大丈夫ですか?



その条件であればクラウドサインのLightプランが十分ハマります。月のコストも2万円以下に収まりますし、国内取引先への認知度も高いので締結がスムーズに進みやすいです。
まとめ — クラウドサインは「とにかく間違いない選択」
クラウドサインは、機能・セキュリティ・使いやすさ・実績のすべてにおいて国内トップ水準のサービスです。特別な要件がなければ、「まずクラウドサインを試してみる」という判断は合理的です。
一方で、当事者型署名が必要な重要契約・月100件超の大量送信・海外取引先との契約については、GMOサインやDocuSignの方が適している場面もあります。自社の契約の種類と件数を確認した上で、最終的な判断をしてください。
月2件まで使えるFreeプランで実際の操作感を試してから、有料プランへの移行を判断するのが最もリスクが少ない進め方です。
クラウドサインが向いている会社・向い ていない会社
向いている会社
向いていない会社
今日から始める3つのアクション
- 月の契約件数と契約の種類を書き出す
日常的な業務委託・NDA・発注書か、重要な大型契約かによって必要な署名方式が決まります。これを整理するだけでプラン選びがシンプルになります。
- Freeプランに登録して取引先に1件送ってみる
月2件まで無料で実際の取引先に送付できます。「取引先が迷わず署名できるか」を確認するのが最初のステップです。
- Lightプランで十分か、Corporateプランが必要かを判断する
API連携・電話サポート・承認ワークフローが必要なければLightで十分です。既存システムとの連携を想定しているならCorporate以上を選んでください。




