電子契約サービスを比較していると、料金シミュレーションをするたびに「件数が増えると従量課金がじわじわ積み重なる」という現実にぶつかります。月50件・100件と契約が増えるほど、コストが膨らんでいく。そこで「送信料がかからないサービスはないのか」と調べると、まず名前が出てくるのがマネーフォワード クラウド契約です。
このサービスの核心は「送信料0円・件数無制限」という料金体系にあります。月に何件送っても基本料金しかかからないため、契約件数が多い会社ほど他のサービスとのコスト差が広がる設計です。さらにマネーフォワード クラウド会計・経費精算・給与との連携を軸にしたバックオフィス一体型の設計が、マネーフォワードシリーズを使っている会社に強く刺さります。
この記事では、マネーフォワード クラウド契約の料金プラン・主要機能・セキュリティ・連携内容・ユーザー評判を解説します。「件数が多くてコストを抑えたい」「マネーフォワードで統一したい」という方に特に参考になる内容をまとめました。
この記事でわかること
- 送信料0円・件数無制限の料金体系とコストシミュレーション
- マネーフォワード クラウド会計・経費精算・給与との連携の具体的な内容
- テンプレート・承認ワークフロー・AI-OCRなど主要機能の詳細
- 向いている会社・向いていない会社の具体的な条件
- クラウドサイン・GMOサインと比較したときの強みと弱み
マネーフォワード クラウド契約とはどんなサービスか
料金や機能の詳細に入る前に、このサービスの特徴と立ち位置を整理します。他の電子契約サービスと何が本質的に違うのかを理解した上で比較すると、判断がしやすくなります。
送信料ゼロ・件数無制限が最大の差別化ポイント
マネーフォワード クラウド契約は株式会社マネーフォワードが提供する電子契約サービスです。クラウドサイン・GMOサイン・freeeサインといった主要サービスが「基本料+送信ごとの従量課金」という料金体系を取っているのに対し、マネーフォワードクラウド契約は基本料のみで何件送っても追加費用が発生しないという構造を採用しています。
クラウドサインで月100件送信すると、基本料12,100円+従量課金(242円×100件)=約36,300円かかります。GMOサインでも9,680円+(110円×100件)= 約20,680円。一方、マネーフォワードクラウド契約の契約締結のみプランなら月2,480円(税抜)のみです。件数が増えるほどこの差は拡大します。
契約件数が多い会社ほど、このサービスの料金優位性は明確になります。
マネーフォワードシリーズとの一体化が設計の核心
マネーフォワード クラウド契約はマネーフォワード クラウドシリーズの一部として設計されており、会計・経費精算・給与・請求書・勤怠といった他のサービスとの連携が前提になっています。
すでにマネーフォワードシリーズを使っている会社であれば、契約書の社内承認・取引先への送付・締結後のデータ反映をマネーフォワードのプラットフォーム内で一気通貫に処理できます。これは「電子契約サービスを単体で導入する」のとは根本的に異なる使い方で、バックオフィス全体のデータの流れをシームレスにつなぐという設計思想です。
経営者送信料が0円って本当に追加費用なし?何か条件があるんじゃないの?



電子契約の送受信と保管に関しては件数に関わらず追加費用はありません。ただしユーザー数が増えると1名あたりの従量課金が発生する場合があります。また承認ワークフローなど高度な機能はフル機能プランへの移行が必要で、そちらは要問い合わせの個別見積もりになります。
マネーフォワード クラウド契約の料金プランを解説する
プランの構造はシンプルです。ただしフル機能プランの料金が非公開のため、詳細は個別に確認が必要になります。
2つのプランと機能の違い
契約締結のみプランは月額2,480円(税抜)から(法人向け・年額29,760円の年一括払い)。電子契約の送受信・テンプレート管理・契約書保管といった基本機能が使えます。シンプルに「紙の契約書を電子化して送付・締結・保管したい」というニーズに応えるプランです。
このプランで使えない主な機能が承認ワークフロー・AI-OCR・契約管理項目のカスタマイズ・API連携です。社内の承認フローを電子化したい・Salesforceと連携したいという場合はフル機能プランへの移行が必要です。
フル機能プランは要問い合わせで、承認ワークフロー・AI-OCRによる契約情報の自動読み取り・法務相談案件管理・API連携・IPアドレス制限などが追加されます。導入事例では「月80時間から25時間へ約70%の業務削減」「押印申請から締結まで1週間から最短5分に短縮」という効果が報告されています。
無料トライアルは1ヶ月間・クレジットカード不要でフル機能に相当する範囲を試せます。
マネーフォワード クラウド契約 料金プラン
契約締結のみプラン
2,480円/月〜(税抜)
送信料0円・件数無制限
フル機能プラン
要問い合わせ
1ヶ月無料トライアルあり
※送信料・保管料はすべてのプランで0円。最新料 金は公式サイトをご確認ください。
月あたりのコストを他サービスと比較する
件数別のコスト比較を見ると、マネーフォワード クラウド契約の優位性が数字で見えてきます。
月20件の場合
- マネーフォワード クラウド契約:約2,480円/月
- GMOサイン ライト:9,680円+(110円×20件)= 約11,880円/月
- クラウドサイン Light:12,100円+(242円×20件)= 約16,940円/月
月100件の場合
- マネーフォワード クラウド契約:約2,480円/月
- GMOサイン ライト:9,680円+(110円×100件)= 約20,680円/月
- クラウドサイン Light:12,100円+(242円×100件)= 約36,300円/月
件数に関わらず基本料のみという構造は、契約件数が増えても月のコストが変わらないという計画性の高さにもつながります。「今月は何件送ったか」を気にせず使えるのは担当者の精神的負担も減らします。



月2,480円で本当に使えるんですか?機能が制限されすぎていて実用にならないんじゃないですか?



送受信・テンプレート・保管の基本機能は揃っているので、「紙の契約書を電子化して送付・締結・管理したい」という基本的なニーズなら十分です。ただし承認ワークフローを社内で回したい・Salesforceと連携させたいという場合はフル機能プランへの移行が必要になります。まず1ヶ月の無料トライアルで実際に試してみるのが確実です。
マネーフォワード クラウド契約の主要機能を確認する
機能面の確認に入ります。基本機能はシンプルに揃っており、フル機能プランで内部統制・自動化に関わる高度な機能が追加される構成です。
日常業務を支える基本機能
テンプレート機能は、業務委託契約・NDA・発注書など繰り返し使う書類を登録して送信時に呼び出せる機能です。テキスト入力欄を設置して画面上で内容を入力してから送信できるため、毎回PDFを作り直す手間がなくなります。複数の取引先への一括送信にも対応しています。
契約書管理機能では、電子で締結した契約書だけでなく紙の契約書(PDF化したもの)も一元管理できます。契約更新期限が近づいたときのアラートメール通知も自動で行われるため、「更新を忘れていた」という事態を防げます。他社の電子契約サービスで締結したPDFも取り込んで管理できる点も実用的です。
長期署名はすべての電子契約に対して10年間付与されます。締結した時点の電子署名が10年後も有効であることを保証する仕組みで、長期保管が必要な契約書でも安心して使えます。
フル機能プランで使える高度な機能
承認ワークフローは、契約書を取引先に送信する前に社内承認を必須にする機能です。金額・契約種別などの条件で承認ルートを分岐させる設定も可能で、「100万円以上の契約は役員承認が必要」といった社内ルールをシステム上で実現できます。申請ステータスのリアルタイム確認・一括承認にも対応しています。
AI-OCRは、契約書のPDFをアップロードすると契約相手名・契約期間・金額などの情報を自動で読み取って入力する機能です。大量の既存契約書をシステムに取り込む際の手入力の手間を大幅に削減できます。
Salesforce連携は、Salesforceの商談データからワンクリックで申込書を自動作成・送信できる機能です。締結後の書類はクラウド契約に自動保管され、相手方が入力した情報がSalesforceに逆連携されます。営業とバックオフィスのデータを一気通貫でつなぎたい会社には大きな強みです。
月あたり送信件数別・コスト比較(税込 概算)
| 月間送信件数 | MFクラウド契約 2,480円〜(税抜) |
GMOサイン 110円/件 |
クラウドサイン 242円/件 |
|---|---|---|---|
| 月10件 | 約2,728円 | 約10,790円 | 約15,522円 |
| 月30件 | 約2,728円 | 約13,090円 | 約19,442円 |
| 月50件 | 約2,728円 | 約15,390円 | 約24,332円 |
| 月100件 | 約2,728円 | 約20,790円 | 約37,532円 |
※MFクラウド契約は税抜2,480円に消費税10%を加 算して概算。GMOサイン・クラウドサインは基本料+送信料の合計。



当社はSalesforceで営業管理しているんだが、契約書の作成もSalesforceから自動化できる?



フル機能プランであれば、Salesforceの商談情報からワンクリックで契約書を生成・送信できます。締結後の書類が自動でSalesforceに反映されるので、営業担当者が契約書の進捗を別サービスにログインして確認する必要がなくなります。
セキュリティと法的有効性
電子契約サービスを選ぶとき、見落としがちなのがセキュリティと法的有効性の確認です。料金や使い勝手が良くても、この2点が業種・取引先の要件を満たしていなければ、導入後に問題が起きる可能性があります。以下で具体的に確認しておきたいポイントを整理します。
電子署名法・電帳法への対応
法的有効性は電子署名法に準拠しており、認証局にはセコムトラストシステムズ株式会社(総務大臣認定タイムスタンプ認定事業者)を採用しています。締結時に認定タイムスタンプが自動付与され、全契約に10年間の長期署名が保証されます。
電子帳簿保存法への対応も完了しており、電子取引データの保存要件(真実性の確保・検索性の確保)を満たしています。ただし電帳法の要件を満たすには契約書名・契約開始日・終了日・契約金額の入力が必要な点は押さえておいてください。
セキュリティ認証はISO/IEC 27001(ISMS)を取得。2024年9月には最新のISO/IEC 27001:2022版も取得しています。技術面ではSSL/TLS暗号化・2段階認証・IPアドレス制限・SAML認証によるSSO・監査ログのCSVエクスポートに対応しています。
電話サポートがない点は注意が必要です。
サポートはメール・チャット(平日10:30〜17:00)のみで、電話での問い合わせ窓口は設置されていません。ユーザーレビューでも「電話サポートがほしい」という声が複数あがっており、サポートの厚さを重視する場合は導入前に確認してください。



電話サポートがないのは不安ですね。困ったときにすぐ聞けないと困るんですが。



チャットサポートは平日の営業時間内であれば対応しているので、急ぎの質問はそちらで解消できます。ただし電話で即座に確認したいという方にとっては確かに不便な点です。サポート体制を重視するならクラウドサイン(予約制電話あり)やGMOサイン(電話あり)の方が安心感はあります。
マネーフォワード クラウド契約が向いている会社・向いていない会社
ここまでMFクラウド契約の料金や機能を見てきましたが、実際のところ「自社に合うかどうか」が一番気になるところだと思います。向いている会社・向いていない会社をそれぞれ整理しましたので、導入判断の参考にしてください。
こんな会社に向いています
月の契約件数が多い・増加傾向にある会社に最も向いています。月20件でも100件でも基本料のみという構造は、件数が増えるほど他サービスとのコスト差が広がります。成長期で契約件数が増えていくフェーズの会社には特に合います。
マネーフォワードシリーズをすでに使っている会社にも強く向いています。クラウド会計・経費精算・給与・請求書との連携によりバックオフィス全体のデータが一本のプラットフォームで流れる環境を作れます。複数のサービスを行き来する手間がなくなり、管理画面も一元化できます。
Salesforceを使っている営業組織にも向いています。フル機能プランのSalesforce連携を使えば、商談から契約締結・データ反映までの流れを自動化できます。
こんな会社には向いていません
当事者型電子署名(実印相当)が必須の契約が多い会社には向いていません。マネーフォワード
クラウド契約は立会人型が主体で、当事者型は対応しているものの機能の充実度はGMOサインに劣ります。不動産・建設・金融など当事者型署名が求められる業界は注意してください。
電話サポートが必須の会社にも向いていません。先述の通り電話窓口がないため、サポート体制の厚さを重視する場合はクラウドサインやGMOサインの方が安心感があります。
月の契約件数が5件以下の小規模の会社には、GMOサインの月5件まで無料のプランの方が合理的です。マネーフォワードクラウド契約には無料プランがなく、1ヶ月のトライアル後は有料になります。
MFクラウド契約が向いている会社・向い ていない会社
向いている会社
向いていない会社



マネーフォワードで会計も経費もやってる。電子契約もマネーフォワードにした方がいい?



その条件なら強くおすすめします。特に月20件以上の契約を処理しているなら、送信料0円のメリットとシリーズ連携の恩恵が両方受けられます。まず1ヶ月の無料トライアルでSalesforceや会計との連携の使い勝手を確認してから判断してください。
まとめ — マネーフォワード クラウド契約は「件数が多い会社」と「MFユーザー」の最適解
マネーフォワード クラウド契約は、送信料0円・件数無制限という他にない料金体系と、マネーフォワードシリーズとの深い連携が二本柱のサービスです。月の契約件数が多い会社・すでにマネーフォワードを使っている会社という二つの条件のどちらかに当てはまるなら、まず最初に検討すべき選択肢に入ります。
電話サポートの欠如・当事者型署名の制限・無料プランがないという弱点も把握した上で、1ヶ月の無料トライアルで実際の操作感を確認してから判断するのが最もリスクの少ない進め方です。
H3: 今日から始める3つのアクション
- 月あたりの契約締結件数を数える 件数が多いほどマネーフォワード
クラウド契約のコスト優位性が大きくなります。現在の件数を把握するだけで、他サービスとの年間コスト差が計算できます。
- マネーフォワードシリーズの利用状況を確認する
会計・経費・給与・請求書のどれかを使っているなら連携のメリットを受けられます。使っているサービスが多いほど導入効果は高まります。
- 1ヶ月の無料トライアルに申し込む
クレジットカード不要でフル機能を1ヶ月試せます。実際に取引先に送付して操作感を確認し、既存のマネーフォワードサービスとの連携を体験してから判断してください。
